旅するペーパーくん

ペーパーくんの癒しとヒラメキの日々

可愛い「好き」

マサは毎日が日曜日、夏休みの日々を過ごしていた。それでも定期的なアート講座のための活動も継続していた、そんな中、春休みに経験した児童クラブからオファーがあり夏休みにも来てほしいと連絡が入り快諾していた。初日に教室に入って行くと「マサ先生!」と子供たちが声を掛けてくれた。朝8時前に家を出発して帽子を被り、自転車を10分漕いで行くと、朝の日差しも強かったために汗が溢れ出した。「マサ先生、これ巻くと涼しいよ!」と水道水で濡らして絞った布を巻くことを教えてくれる。女性の支援員さんからは「うちわ」を使うように差し出してくれる。午前中のスケジュールは宿題と勉強時間、チャレンジ遊びと自由時間、食事時間とキッチっと決められていた。初日は汗を拭きながらあっという間に過ぎた。「マサ先生、お弁当いっしょに食べよ!」と手を引っ張る1年生の男の子が「お弁当見せて!」と言うので秘書の妻が作ってくれたことも伝えながら見せた。「来週は水・木と2回、自由時間にペーパーリーフ体験をお願いしたい」と支援員さんに言われて「喜んで!」と笑顔で返事をした。翌週、首に冷感タオルを巻き、アート講座で作った涼感うちわとアート教材を自転車カゴにいっぱい詰め込んで教室に向かった。「ペーパーリーフをやりたい人?」と支援員さんが声を掛けると7人の女の子が集まってくれた。この間のアート講座で女子大生が作った「プリンアラモード」の作品を見せると、4人はそれを真似て作りたいと積極的にやり始めた。翌日はポストカードにプリントして一人一人に手渡すと「今日もやりたい!」と笑顔を見せてくれる。「今日もやりたい人?」と声を掛けてくれると、なんと9人の女の子が手を挙げてくてた。「今日は動物のキャラクターでラミネートカードにするよ!」とサンプルから選んでくれた。みんな時間通りにやってくれそうだったが、1年生の女の子だけは12時になっても上手くできず泣き出してしまった。ちょっと戸惑ったが、手伝ってパンダのキャラクターを仕上げた。本当は自分が持っているぬいるぐみ「芝犬3兄弟」を作りたかったが思うようにいかないから泣いたようだ。少し弁当の時間が遅れたが、泣きながら食べる様子を見ながら「また来週ね!」と別れを告げると、隣に座っている女の子が「この子、先生のこと好きだよ!」と代わりに答える二人の姿に、ポッとハートが熱くなるマサだった。