旅するペーパーくん

ペーパーくんの癒しとヒラメキの日々

大きなアートへの挑戦

マサは新しい年2022年を新たな気持ちでスタートしていた。昨年末に市役所から発行された広報誌に掲載されたマサの活動をグループLINEでシェアしてくれていた。一番嬉しかったのは、マサのパート先で目の前に座っている浅野温子似の女性からのコメントだった。「大きな顔写真入りの記事が載ってますよ!」と丁寧にピンクの付箋まで貼って広報誌を渡してくれた。「ちょっと大き過ぎますよね!」と照れくさそうに答えた。ここは市が運営主体の青少年会館で、昨年4月より週2〜3回の受付け業務をマサはしていた。仕事はコツコツと真面目にこなしていたが、最初の動機は別なところにもあった。マサのやっているアートの世界を広められる機会となることも期待していた。もう10ヶ月も経とうしていたが、なかなか糸口が見出せていなかった。勤務して間もない頃に「アート教材プチッテ3組、譲ってください」とプレゼントに使いたいと浅野温子似の女性からオーダーをもらっていた。年末にもその女性から「100号サイズの作品を作れないですか?」と青少年会館の玄関に飾れるようなペーパーリーフアートを要望をしてくれた。「制作時間は1ヶ月はかかりますよ!」と少しばかり腰が引けた返答をした。「それじゃあ、玄関を演出している横さんに相談してみます」とかなり前向きなコメントに驚いた。横さんは元小学校の女子教諭で国語を担当をしていたことも聞かされた。年末からの休日にいろいろと思案してみることにした。100号サイズとwebで検索すると1.62m×1.3mと記述されたており、改めて巨大なことを認識した。年末の大掃除で、50号サイズ1.167m×0.91mのキャンバス木枠とイーゼルが倉庫に眠っていたのを見付けていた。以前に油絵教室に通っていた時にマサが使っていたものだった。近くのホームセンターに行ってこのキャンバスに貼る大きなサイズの紙を探していると、ロール状の障子紙がピッタリ合う寸法があった。この障子紙を50号サイズのキャンバス木枠にテープで留めれば「紙製のキャンバス」が出来ると久しぶりにヒラメキを覚えるマサだった。