旅するペーパーくん

ペーパーくんの癒しとヒラメキの日々

柔らかな光

マサは朝から大雪になり昼までステイホームしていた。冷蔵庫から冷凍スパゲッティと焼きおにぎりを取り出してレンジで温めた。食べ終わった頃になると、日差しが強くなり道路の雪もクルマが通った所は歩いて行けそうになった。愛犬のカフェを散歩に連れ出したが雪に慣れないせいか、いつもと違って動きが鈍い。犬も素足で歩くのは冷たいので、いやいやなのだと同情していた。3時を過ぎても日差しがあるので、自転車で青少年会館へ向かった。入り口まではキレイに雪かきがされていたのは、男性職員3人が朝から3回もスコップでかき出したそうだった。こんな大雪の日なので、すべて利用者がキャンセルになったことを伝えてくれた。ルーティンとなっている巡回もゆっくり回ることにした。上履きに履き替えて、2階の廊下を歩いて両側にある6つの部屋をカギを使って開けて中を確認する。1階に降りて9つの部屋を同じようにしている。その中に2つの和室があり、まだ3時過ぎなので部屋の中は明るい。障子キャンバスのヒントをもらったこの部屋は、妙に落ち着く。大雪の後の昼間の強い光は、障子から漏れる柔らかな光となって畳を暖めていた。障子の歴史を検索してみると、平安時代後期に平清盛が障子に穴を開けたエピソード記述によりこの時代が始まりとされている。木枠の他にカーテンのように垂れ下がるものなどいろいろあったようだ。障子紙は和紙と同じ原料を使った物や、パルプや化学繊維で出来ているものもあり現在は多様化している。本や雑誌や箱などは洋紙と言われ、不透明な白をベースにしている。和紙や障子紙は光を通すものがほとんどで、行燈や提灯などに使われて光の効果を演出するために使われている。この障子紙と葉っぱ状にカットした色付き和紙の組合せ合は面白いと思った。これは柔らかな光越しに見える新たなアートになるとヒラメキを覚えるマサが和室に佇んでいた。