旅するペーパーくん

ペーパーくんの癒しとヒラメキの日々

アイデアが次々と

マサは最後のハードルを超えたので、順番にアート材料を持ち込むことにした。ペーパークラフトになった紙の葉っぱは、1シートに20個の葉っぱが付いて「プチッテ」と呼んでプチッと千切ると1枚ずつ葉っぱが取れるものだった。グリーン、イエロー、オレンジなど全部で16色の葉っぱがあるので、絵の具と同じように好きな絵が描けるアート教材となっている。手軽に使ってもらえるように、16個のプラケースに千切ったプチッテを入れて「ペーパーリーフキット」として貸出しセットを用意している。「ペーパーリーフキット」をトートバッグに入れて自転車のカゴに乗せて、青少年会館へ向かった。「このキットは無償で貸出しできます」と入り口演出担当の横さんに差し出した。打合せテーブルに広げて置くように促され「明日みんなが来たら見てもらいましょう!」とにこやかに話してくれた。その2日後に横さんから「コロナのまん延防止措置が終わらないと置けないようです」と館長の指示があったらしく曇った顔色に「しょうがないです」と平静さを保って返事をした。作ったばかりの障子紙キャンバスはいつに持ち込めるか心配になってきた。USBにゴッホのひまわり画像を保存していたので、A3サイズにカラープリントしてもらい、ラミネート加工をして打合せテーブルにキットの上に一緒にした。またその2日後、席に着こうとすると横さんから声を掛けられた。「みんなからアイデアが出てきましたよ!」と今日はいつもよりにこやかだった。館長からは「16色の紙の葉っぱは混ぜた方が選ぶ楽しみがあるかも」職員のハットさんからは「裏面にアタリがあると喜ぶかも」と。横さんからは「障子紙キャンバスの大きさはどのくらい?」と聞くのでサイズを伝えると、机にメジャーを充てると机より一回り大きいと認識してくれた。「プラケースに入ったプチッテだけでは足りないかもしれないね!」もう自分で集めたお菓子の空き箱を見せながら「プチッテから葉っぱを取った枠をいただけませんか?」とさすが元教師らしい賢いコメントに感心した。お菓子の空き箱の裏側に、葉っぱの残り枠を鉛筆でなぞれば、同じ形の葉っぱができることを思い付いたようだ。「ハサミで葉っぱを切るのも楽しいかも」とアイデアが次々と出るので、立ったまま呆然とするマサだった。