旅するペーパーくん

ペーパーくんの癒しとヒラメキの日々

テンプレート

マサは毎月1回の運営委員会の議事録を読み返していた。5人の運営委員が共有できるようにグループLINEを作り、議事録もノートに残していた。去年の6月23日の記録によると、運営委員会の後にメディアコスモスの横にあるスターバックスに寄っている。Facebookページのカフェ研究会にも抹茶ラテの画像といいアイデアが出たと投稿されていた。運営委員会のアッちゃんとミエちゃんの3人で向かい合わせの席に座る。「星型や数字を鉛筆でラインを入れるプラスチックシートって何んて言ったけ?」更に続けて「ペーパーリーフ型にできれば、いろんな紙にラインを入れて切ってもらえるかも」とミエちゃんは真面目な目付きだった。ミエちゃんは図書館の司書をしていたこともあり、現在は子供達に絵本の読み聞かせをしていると話してくれる。「それはいいアイデアだね。薄いシートならCADで抜けるよ!」と以前の仕事経験からマサは即答した。「プチッテの残りの枠ではダメかなあ?」と聞くと「絵柄を好きな位置にラインを入れたいので透明なシートがいい!」ともうイメージができてるようだった。さっそくプチッテを製造してもらったオーケーさんにLINEをすると「柔らかいプラスチックならできます。」と素早い回答に喜び勇むのがわかった。1週間後にオーケーさんの工場に確認に出向いて行った。透明な葉っぱ状のシートを20枚差し出して「これでいいかなあ?何に使うのかなあ?」の質問に「そうでしたか。葉っぱではなく外の枠は残っていませんか?」とLINEのコミュニケーションの難しさを知らされた。「プラスチックシートが柔らかいのと厚みが薄いので、今回は諦めます」と返答をしていた。その後、運営委員のミエちゃんから「透明じゃなくてもいいかも。プチッテの残り枠なら使えるかも」と自分のアイデアを取り下げるメールが届いた。同じアイデアがつい最近に元教師の横さんから出たところだったが、言い間違いのないように名前をつけることにした。「ペーパーリーフのテンプレート」と名付けたメモと一緒に、プチッテの残り枠10枚を横さんの机の上に置いて帰路に向かうマサだった。