旅するペーパーくん

ペーパーくんの癒しとヒラメキの日々

新しいスタジオ

マサはコロナにより緊急事態宣言が6月20日まで延長になって困っていた。岐阜市が運営する全ての施設が休館となり、事務所にしているメディアコスモスも利用ができなくなった。やむを得ず5月のアート講座もオンライン限定で自宅を使って開催することにした。新しく購入したMacも使って、2台のパソコンでZOOMアプリで参加者を招待した。秘書の妻には同じ自宅にいながら別の場所で、新しいMacの前で参加してもらうことにした。久しぶりの参加の女子イーナさんも含めて、華やいだ雰囲気の画面となった。良きパートナーのアラキンが「いい感じの絵があるねえ1」とマサの後ろに掛けられた油絵を見て褒めてくれたので満更でもなく嬉しくなった。「ゴッホの作品だけど買う?」と冗談を投げかけると笑いと笑顔がすべての画面から見られると、マサも満面の笑みになったのがわかった。アート講座が終わると6月5日には来年度の市民活動支援事業の審査会があり、公開プレゼンのための準備を進めていた。「コロナの影響により公開プレゼンを変更してWEB公開の審査会にします」と突然のメールが送られてきたので動揺するのがわかった。「どうしたら審査員に理解してもらえるだろうか」と思案したが、動画を使うことがベストであると結論を出した。Macの動画アプリiMovieを使うとできることは理解していたが、まだテクニックがともなっていないこともわかっていた。データ提出期限が3日後に迫っているので、勉強しながらでは時間がなさ過ぎた。ZOOMの機能に録画機能があると聞いていたので、パワーポイントで作ったプレゼン資料を使って一人プレゼンを記録すれば動画が出来上がると閃いた。A4のコピー用紙を10枚用意して、黒いマジックペンで大きな文字でプレゼンコメントを書いていった。秘書の妻に、この10枚の紙をパソコンの後ろから1枚ずつ出すように頼んだ。NHKのアナウンサーの気分になってカンペを読み上げていく。1回目はスタートから言葉を噛んで失敗、2回目はカンペを落とす妻ににっこり笑顔で返してストップ。3回目は10ページ最後まで読み上げて、5分以内におさまってOKを出した。ZOOMを使ってオンライン講座や動画撮影まで出来上がる新しいスタジオを「ロッキーeスタジオ」とマサは名付けた。