旅するペーパーくん

ペーパーくんの癒しとヒラメキの日々

withコロナのプレゼン

マサは、昨年と同じ公開プレゼンの場に来ていた。10分前に到着して受付に向かうと、係の人がアタマに体温計を差し出して「えっ」と驚いた様子に、こちらも動揺するのがわかった。「高いですか?」とプレゼン前の緊張感から体温が上がっているのではと不安になった。「いいえ、低いですね。35度しかないです」とニッコリ笑った返答に安堵するのがわかった。秘書の妻は、昨年のプレゼンでの失敗があったのでマイクを持つのか、マスクはするのか、この場に及んでいろいろチェックしてきた。昨年はプレゼンの練習をやり過ぎたので、声が枯れてしまったことも反省していた。2人での練習をわずか1回しかやらず不安だったが、5分の持ち時間で3分半だったのでタイムオーバーになることはないと納得して終わった。プレゼンが始まると原稿を見ながらゆっくりとマイクを持って話し始めた。声もしっかり出ているし、落ち着いているのが自分でもわかった。コロナ対策で当面は、オンライン講座をすること、飛沫防止対策でウッディパーティションを使うことを説明した。現物の試作品を見せると審査員がニッコリ笑っているのがわかった。1分前のパネルが出ると同時ぐらいにプレゼンは終わった。審査員から質問を受けることはわかっていたが、今回は想定問答を用意していなかった。「オンライン講座の会費はどうやって徴収しますか?」5月にテストでやっていたので、チラシを見せながらスムーズに説明ができた。「オンラインのミュージアムショップはどのようにやりますか?」の質問には、現在ホームページを検討中で販売も可能なサイトにしたいことを伝えた。もう1人の審査員からは「年齢層をもっと広げる課題に対しての方策は?」の質問に、アート体験イベントで親子の参加をうながし、アート講座では大人のために実施して、2つの活動で幅広い人達に広めていくことを伝えた。審査委員長からは「ホンモノの葉っぱを使うのはどうだろうか」と提案をもらったので、紅葉シーズンの落ち葉を使ってやってみたい旨を話した。withコロナと小池都知事が発言を思い出し、マサもwithコロナのおかげでプレゼンを乗り越えたと思うのだった。