旅するペーパーくん

ペーパーくんの癒しとヒラメキの日々

本番のプレゼン

マサは、コロナウイルス感染者がついに自分の県で1名が出たニュースを見て床に着いた。翌日のプレゼンのことより、不安感があり少しばかり動揺しながら眠りについた。けさ会社に着くとLINEにメールが届いていた。『土曜日のホテルの会食どうする?』と感染を気にしてのメッセージに困っていた。スポーツイベントなど無観客試合のニュースも流れ、この会も延期か中止が妥当かとも思った。幹事役にも相談したが、不特定多数のイベントとは違い素性のわかる人達という説明に納得していた。朝からそんなやり取りにより、逆にプレゼンの緊張感が和らいだようだった。寒の戻りでマフラーと手袋をして、秘書の妻と一緒に歩いてプレゼン会場へ向かった。20分も早く着いたが、控え席で待つ時間で会場の様子を受付の人にヒヤリングができた。参加団体数やラス前であることを聞き出せた。『マイクはありますか?』と秘書の妻が質問をした。『マイクあります。ハの字状に机があり右側にパソコン、左側にマイクが置いてあります』と会場がイメージでき緊張感が少し和らいだ。審査委員長のあいさつの後に、マイクを持って立ち上がってプレゼンを始めた。ゆっくり大きな声で、誰かとアイコンタクトをしようと審査員をぐるりと見回しながら話す。審査委員長以外とは目が合わず、他の人はパソコンで資料を見ている様子もわかった。落ち着いていた、審査委員長をプレゼンの仲間にしようとアイコンタクトを続けることにした。調子に乗ってアドリブも入ったので、5分で鳴るベルから15秒オーバーしていた。質問は審査委員長中心に4つあった。事前のQ&Aと同じ質問があった。『どこまで行けますか?市内ぐらいですか?』と審査委員長が聞くと『郡上の道の駅にも行ったことあります。クルマに備品を積み込んで行けるので全国どこへでも行けます』というと苦笑いする審査委員長を見つめて、予定通りに大風呂を広げたとマサもにんまりした。