旅するペーパーくん

ペーパーくんの癒しとヒラメキの日々

対照的な男の子

マサは、アート体験イベントのもうひと組の親子のことを考えていた。4歳の男の子とお母さんが入ってきて席に座った。女の子の場合はすぐ作る物は決まったが、なかなかやりたい物がわからなかった。「小さい方がいい?大きい方がいい?」と聞くと大きい方のサンプルを指差した。女の子はほとんど小さい方を選んでいたので意外だった。今度は何を作りたいか聞くのに、大人の受講生が作った作品30点を次々と紙芝居のように見せていった。やや反応があったのは、パンダ、ワンちゃん、赤い電車だったが、決めてに欠いた。少し様子を見ていると、小さな声でお母さんに話すような仕草があったので近づいてみた。お母さんがスマホ画面を見ながら「新幹線でもいいですか?」と男の子に代わって質問してきた。「カッコいい新幹線ですね!」と言うと「かがやき!」と親子が口を揃えて答えてきた。「かがやき、できますか?」と聞かれて見たことない新幹線に戸惑ったが、もっと簡単な物にしてほしいと言えずにアタマを巡らした。スマホ画面を見せてもらいながら、どうすればできるか紙の構成を考えた。バックは黒の色画用紙に、その上に白い紙で新幹線のフォルムをカットし、象徴的な正面の青い色の顔は牛乳石鹸の箱を使うと出来上がることを材料を渡して伝えた。本当に出来上がるか心配したが、お母さんは理解したようで鉛筆を手に持ってラインを書き始めた。ラインに沿ってハサミで切るように子供に伝えているようだった。終了時間が気になるようで聞かれたが、時間内に出来上がった。親子2人の合作の新幹線は、その名の通り「かがやき」を放っていると感激するマサだった。