旅するペーパーくん

ペーパーくんの癒しとヒラメキの日々

2つのパネルと2人の女の子

マサは、NHKで紹介されたのでアート体験イベントに沢山来てくれるのを楽しみにしていた。反面、コロナの感染者拡大や2日前の大雪の影響が心配だった。開始時間を30分過ぎても誰も入って来なかった。人通りも1ヶ月前に比べるとマバラなのがわかった。秘書の妻が「きょうは本当に来るの?」と1週間前に電話で予約があった親子のことも心配そうに聞いてきた。「わからないねえ、きょうも寒いからねぇ」と諦め口調で返事をした。すると遠くから小走りでやってくる2人の女の子が見えたのでスタジオから思わず飛び出した。「Aさんですか?」と後ろから付いてきたお母さんらしき女性に聞くとニッコリ笑顔で頷いてくれた。「どうやってやるの?」と女の子が元気良く中まで入ってきた。「まず体温を測ってからね!」と受付に戻るように促した。2人の女の子と2人の親の検温が終わり揃ってスタジオに入ってきた。映画「浅田家」でヒントをもらったポストカードとラミカを貼った2つのパネルを立て掛けおいた。「これが作れるの?すごーい!」とパネルを見たお姉ちゃんが作る気満々になって話す。「これはクリスマスのリースだよ」と言うと「私はクリスマスツリーにする!」と作る物を決めたようだった。決められない下の子の様子を見てお母さんは「クリスマスのリースがいいんじゃない!」とサンプルを勧めると大きく頷いた。「30分したら戻ってきます!」と2人の女の子を預けて夫婦2人は電話で聞いていた通りに出て行っしまった。7歳と5歳の女の子は、両親がいなくなっても平気でハサミを使って作り始めた。「先生、星を切ってくれない?」と少しだけ手伝ってあげてクリスマスツリーを完成させた。両親が戻って2人の女の子の作った作品に驚いた様子で「手に持って!写真撮るからね!」と立て掛けた2つのパネルの前に2人を立たせた。最初から最後まで2つのパネルの効果の素晴らしさに驚くマサだった。