旅するペーパーくん

ペーパーくんの癒しとヒラメキの日々

バレンタインは熱い

マサは、チョコがもらえるバレンタインのイベントに参加した。同級生のO女子が主催するO会の恒例のイベントとなっていた。場所も同級生のマスターの店が貸切りで、夕方の6時に扉を開けた。すでに3人がバラバラに座っていた。まずはO女子からチョコを受け取った。左の席に座っていたのは初参加のフルちゃんで、この会に誘った手前、彼の横に座った。高校以来になるので懐かしさで、すぐ熱く興奮するのがわかった。フルちゃんは、友人の地元テレビ局の社長就任を祝う会の幹事をやっており、人を集めたいと相談を受けていた。O女子に了解の上で初参加となり、勧誘をするために一番乗りで来てくれた。数人の希望者を手帳にメモして満足気だった。O女子から新年の同窓会アルバムを持参するように言われ、カウンターに人が埋まるたびに回覧されていった。出来栄えがよかったのか、次から次へと注文のメモ紙に熱くなった。このアルバムのアプリは良きアドバイザーのイッチャンの会社が運営しており『ありがとう。うちの営業マンだね』と茶化してくれたのも嬉しかった。しばらくすると、6人の男女が入ってきて満席状態になった。彼らも同じ高校の後輩らしく、一番若そうなカップルが同じ会社の名刺を揃って差し出してきた。酔いもまわっていたのか『結婚するんですか?』と直感で話すと、二人とも頷いたように見えた。よく名刺を見ると、女子の方が社長、男子が役員だったので不思議だったが深くは聞かなかった。マサは名刺を持っていなかったので、アート講座のチラシを渡して活動を語ると更に熱くなるのがわかった。『時間があれば参加します』と大学も後輩だと聞き、先輩を真面目に見つめる目に、若き血が燃ゆる気分になり、バレンタインは本当に熱いと実感するマサだった。