旅するペーパーくん

ペーパーくんの癒しとヒラメキの日々

『テニス』のつながり

マサは、クロちゃんに電話をして豆腐製造会社へ訪問のアポを取った。目印は笠松競馬場で地図を頼りに迷いながらの到着だった。事前に予備知識として、最近の豆腐業界のことを食品新聞で調べることにした。マサが関わったクライアントでは、三重のあずきアイスのI社も長期保存タイプの豆腐を製造していた。食品大手M社からはフタが開けにくいことから、開けやすいように容器の開発を依頼されることもあった。食品新聞に面白い記事があった『男前豆腐波乗りジョニー』サーフボードのカタチをした容器に入った豆腐だった。当時は社長はクロちゃんのお兄さんだったこともあり、うまく営業トークも言えず会社紹介だけに終わってしまった。でもクロちゃんは、工場の中を丁寧に案内してくれた。営業部門の責任者をやっているので、目新しいパッケージの必要性を話してくれた。やはり同級生や学生時代の話になっていき、『テニス』をお互いにやってきたことを知り合った。マサはイッチャンやトシちゃんと遊びのテニスをやっていることを伝えると、クロちゃんは家族みんなで本格的にやっているチカラの入れようがわかった。『娘はプロのテニスプレーヤー』というから驚いた。岐阜の新聞社のチカチャンと音楽イベントに参加している話しをすると『紹介してくれない?』ニッコリ笑顔だったが真面目な目付きだったので『いいよ』とテニスの試合後に交わすような握手を交わしていた。チカチャンにすぐ電話すると『取材OK』のふたつ返事の即答だった。取材場所は、新聞社1階のカフェでスポーツ専門の記者を連れてきた。クロちゃんは、娘さんと外人コーチが一緒だった。マサは、同級生同士を取り持つ仲人のようで可笑しな気分になっていたが、うなずくだけで初めての貴重な体験となった。1週間後に新聞の記事になっていて、新聞もペーパーなんだと納得するようにマサは、スポーツ欄を眺めていた。