旅するペーパーくん

ペーパーくんの癒しとヒラメキの日々

もう一つのこだわり

マサは、もう一つのこだわりをムラちゃんから教えてもらっていた。紙の葉っぱのペーパークラフトをプチッテと名付けてアート教材として講座で使っていた。この教材の下にある鳥のマークを見て「これは誰がデザインしたの?」と芸大の教授らしく興味の視点が違った。良きパートナーのチカチャンを通じて知ったデザイナーの名前を伝えると「その人知ってるよ、大学の先輩だから」と鳥のマークの素晴らしさを理解するように話しが続いた。教材のプチッテをちぎりながら「この葉っぱのカタチもよく考えられている!」と言うので、そのデザイナーがこれもデザインしたと伝えると大きくうなずいた。アート講座では、奥さんの作るアマビエを手伝いながら、可愛いウシのキャラクターを作っていた。ウシが空飛ぶ鳥を見上げる様子を目の表情でうまく描いていた。「妻を手伝って自分の作品が完成しなかったから、持って帰っていい?」と途中のまま持って帰って行った。翌週に再会したのは、奥さんのアマビエ作品の不足材料をもらいに来たのと、自分の完成したウシ作品を持って来てくれたのもその理由だった。ウシが見上げた鳥は2匹で、頭に1匹、空を飛ぶ1匹はハートを咥えていた。「鳥もハートも、紙の葉っぱプチッテの組み合わせで出来てるよ!」と解説してくれた。「色の組み合わせでハートは16×16通り、鳥は16×16×16通り、できるよ!」と白い紙に貼った沢山のハートと鳥を見せてくれたので、すかさずスマホで撮影した。紙の葉っぱのプチッテに惚れ込んでくれたムラちゃんの「もう一つのこだわり」に、大学生になってもう一つ教えられた気分になるマサだった。