旅するペーパーくん

ペーパーくんの癒しとヒラメキの日々

こだわり

マサは、先週のアート講座に参加してくれたムラちゃんからの電話を不思議そうに取った。「木曜日はメディアコスモスにいる?」と聞くので「いつも2時からいるので大丈夫ですよ」と返事をした。「芸大に用があるので、ついでに寄るね!」とこの間のアート講座の妻の作品を修正したいことも伝えてきた。時間通りにやってきたムラちゃんは「アマビエの足は3本だとわかったので1本足したい!」と坂角のエビせんべいの箱から切って足を作ったので、その箱が残っていないかと懇願するのがわかった。講座で使う大きなプラコンをロッカーから運んで、作業するつくるスタジオの机に乗せた。「無かったら、エビせんべい買うしかないね!」と笑いらがら、正方形にカットされた沢山の箱を探し出した。しばらく探すと「あったあった」と小さな破片を見つけて「ちょっと足りないかなあ!」とムラちゃんが言うので、また探すのを続けた。「やったあ!」とマサがまるまる一枚見つけると「よかったあ!」と満足げにニッコリ笑うムラちゃんだった。「妻がアマビエで年賀状を作りたいと言ったので、調べてみると足が三本あるとわかって直したくなった」「講座の中でエビせんべいの箱を使ったことをマサがほめてくれたので、妻がこれは外したくないと言っている」とさすが芸大の教授夫妻の「こだわり」が素晴らしい作品になるのだと、大学生のようにマンツーマンで教えてもらえた喜びを感じるマサだった。