旅するペーパーくん

ペーパーくんの癒しとヒラメキの日々

アート講座から新たな発想

マサは、ことし最初のアート講座を終えてホッとしていた。参加者は回を重ねる毎に少しずつ増えていた。同じ会社の後輩2人が、気を利かせてくれたのか夫婦で参加してくれた。初めての作品だったが、特に奥さんが2人とも素晴らしい出来映えに驚いた。運営委員でランチをしながら反省会をしたが『初めてなのに、僕らよりずーっとうまい!』と良きパートナーのアラキンから素直な感想だった。この日は、飛び入りで2歳くらいの子供を連れた母親の参加もあった。講座の場所はガラス張りになっており、外に向けて動物キャラクター作品を4つ展示しておいた。これもアラキンの発想だった。よちよち歩きの子供を連れた母親がこの作品を見ながら『ウサちゃん、ウサちゃん』という声が聞こえたので『やってみますか?』と話し掛けてみた。中に入るのを少しためらう幼児だったが、2人を席に誘導してあげるとチョコンと座ってくれた。お母さんがほとんど作っていたが、白い紙に紙の葉っぱを並べて楽しそうにしていたので、マサも嬉しくなるのがわかった。出来上がった作品もウサギ2匹とゾウさん1匹で、動物の輪郭がなかったがそれらとわかる並べ方に今までにない新たな発想を教えてくれた。反省会でもアラキンと義弟のヤスくんから『入り口で、作品作りのデモンストレーションをするともっと人が入ってくるかもよ!』と秘書の妻に向かって話すと『その方が自分の作品を作っているよりいいかも』とまんざらでもない様子だった。この日も新たな発想が3つも生まれて、いい一年のスタートが切れたと、気分良くグラスビールを口にするマサだった。