旅するペーパーくん

ペーパーくんの癒しとヒラメキの日々

ふたつの平常心

マサは、コロナの影響と会社員からのリタイアにより「新しい生活様式」を身をもって感じる毎日となっていた。市民活動支援事業のプレゼン結果の郵便物を開き、採択の文字にも感動がなく平常心なのは不思議だった。コロナの影響で、思い通りに参加者が集まってくれるだろうか心配が先になっていたからだった。メディアコスモスが再開していたが、人通りもまばらなのを目にしていた。そんな中「紙の葉っぱのミュージアム」のアート体験イベントを開催した。採択された事業のメインとなるイベントで、無観客であってもテストの意味になると開場することにした。良きパートナーのチカちゃんには、展示内容を動画撮影してもらうようにお願いしていた。しばらく人が入ってこなかったが、赤ちゃんを抱えたお母さんが興味深げに一回りしていった。秘書の妻が、見兼ねた様子で通りを歩く人に呼び込みを始めた。女子高生の3人組を誘いいれるのでビックリした。彼女たちは、1時間ほどかけて作品を作ってくれた。次に呼び込んだのは、スペインから来たというカップルだった。女子高生も外国人も、いままでアート体験したことのない人だったので、いい収穫となった。カメラを持ったチカちゃんは、これらの一部始終を映像におさめてくれた。この動画は、その日の内にグループラインにアップされた。地元TV局の社長になった同級生のコウくんの目に留まったから、動画のチカラはすごいと思った。「今度スタッフに取材に行かせるから」とLINEに返事があった。テレビ出演があっさり決まり、市民活動支援事業採択と同じような感覚の平常心のマサだった。