旅するペーパーくん

ペーパーくんの癒しとヒラメキの日々

ゴッホのように

マサは、あんちゃんが最初からすごい作品ができた理由がわかった。3年前に市民講座を初めて始めた時の参加者の作品をポスターにしてアート講座のホワイトボードに貼っていた。あんちゃんは、このポスターを見てビビィッと感じたようだ。マサが始めるキッカケとなった『ゴッホのような油絵のような作品を作りたい』『油絵の筆のタッチが葉っぱ状にみえることから』ペーパーリーフアートの誕生秘話は、講座の始めに説明をしていた。この言葉も、あんちゃんには刺さったようだ。初回からの参加者イッチャンやミタムンは、この教えを守った作品を作りポスターにも掲載している。『自画像を作ろう』をテーマにミタムンの制作場所に講師らしく様子を伺いに行ってみると、なんとスマホゴッホの自画像を検索して画面に映し出しているからビックリした。色とりどりのお菓子の箱を、ハサミで葉っぱ状に切って並べていた。当時は制作時間が45分しかなく、切るだけで時間が過ぎると不満も聴こえてきた。『時間がないから、切羽詰った作品ができるのかも』と反省会でイッチャンが語っていたのも印象に残っている。ミタムンの作品は、その後のアート講座の案内チラシにも掲載させてもらうぐらい素晴らしい出来映えだった。ミタムンは高校時代の野球部のマネージャーで、現在は税理士事務所を経営している。毎年3月になると確定申告で事務所へ出向いていた。最近は忙しいらしくアート講座には頻度が少なくなっているミタムンだった。税務相談が終わった後に、これからも参加してくれるように頼むと『JAぎふで毎年やってる助成金制度しってる?』と聞くので、『また詳しい話を聞かせて。』と素っ気ない返事をして帰ったことを思い出した。早速ネットで検索してみると、10月からの募集が始まり、助成金規模も市役所のなんと5倍。農業振興や食文化、街づくり、環境保護のいずれかに係る事業が条件となっている。お菓子の空き箱使ったアートの普及だから、3つの項目には当てはまると思った。次なる目標をマサはこれにしてみようと、ミタムンに今になって感謝するマサだった。