逆サプライズ2

マサは、アート講座の翌朝に長文のメールにも驚いていた。1年ぶりに参加したMさんのお礼の内容だった。以前から彼女の作品には目を見張るものがあり注目をしていた。『お久しぶりです。事故で入院していて、やっとクルマも運転できるようになり来ました』と挨拶を交わした。アート講座がまだ初期の頃に参加してもらっていたので、アート材料の進化にも驚いている様子だった。『これは以前になかったちぎれる葉っぱです』と説明すると、大きくうなずいてくれる。作品作りに集中しているようで、完成までに時間をたっぷり使っているのがわかった。例によりスマホで作品をのぞくと驚いた。バレンタインのテーマに合わせて『LOVE  THANK  YOU』という文字が繊細に描かれていた。文字は太い部分と細い部分がありユニークだった。特に２つのOの英文字は、非常に細くてしっかりしたラインを描いていた。ちぎった葉っぱの回りの残りを使ったことがわかった。作品をスクリーンに投影すると『チョコはいらないという夫にラミネート作品を渡します』と語る姿は初々しくも感じた。翌日に届いた彼女のメールは長かった。『入院生活が長く、無気力になり掛けていた。そんな中メールをもらい作品を作ることで、前向きな気持ちにさせてくれた。本当に感謝してます』まだ続く『そんな入院生活をしている人はいっぱいいます。無気力になっている人に、ペーパーリーフアートはベッドの上でも簡単にできるし、元気を与えられると思います』と彼女の経験からの提案に、また昨日に続いて逆サプライズを覚えるマサだった。