旅するペーパーくん

ペーパーくんの癒しとヒラメキの日々

ガラスの向こうの夢

マサは、ガラス拭きを中心に年末の大掃除をしていた。窓ガラスや鏡、テレビ画面、絵の額とガラスクリーナーですべてのガラスを拭いて回った。昔の人は『一夜飾りは良くない』というのでガラスを拭き終わった後に、お正月の飾り物を大晦日の前日に取り付けた。マサが以前に描いた油絵をガラスが拭き終わった額に入れ替えてみた。アート講座のサンプル作品をいつも作っている通称ロッキーeスタジオにも油絵を飾ってみた。一つ絵を飾るだけで雰囲気が変わるから不思議だ。額の下には白いデスクを置いて、アート講座用のサンプル作品を置いた。その横には、今年の夏に作った立体のペーパーリーフアート作品を並べた。『紙わざ大賞』という公募展に出品した作品で、ここにあるのは残念ながら落選して戻ってきたからだった。こうして並べるとまたアイデアを思いつくから不思議だった。金網に引っかかった好きな葉っぱを取って作品を作ってみるのも、アーティストっぽく格好良くなるかもしれないと思った。思わずスマホで写真を撮ってFacebookページ『ペーパーリーフアート倶楽部』にアップした。立体作品の横には、来年1月18日のアート講座のサンプル作品を置いてみた。テーマは『2020年の抱負を描こう!』となっている。マサは、葛飾北斎の赤富士をモチーフに夢の文字を大きくあしらった。一富士、ニタカ、三茄子と初夢はいい富士が見られるだろうかと思いつつ、大晦日をゆっくりと過ごすマサだった。