旅するペーパーくん

ペーパーくんの癒しとヒラメキの日々

ジャンプする僕

マサは、柳ヶ瀬にある画材屋に10年ぶりに入っていった。1週間に一度は、油絵のキャンバスを購入していた。5年間は通っただろうか、柳ヶ瀬の入り口にある中日新聞の文化センターに通っていた。いつかゴッホのような油絵を描きたいと、この頃も夢を描いていた。花や果物の静物は小さなキャンバスに、1ヶ月かける女性モデル作品には大きいサイズを購入した。マサは作品は捨てられず、現在も押入れいっぱいに保管している。気に入った作品は額入りで居間に飾っている。画材屋に入ると、ここも昔のままだった。受付の女性も、当時の幼さを今も残しているからタイムスリップした感じで不思議だった。『練り消しゴムありますか?』と聞くと、狭い店の中を素早く置いてある場所へ移動して『こちらです。』と5種類を差し出したので『じゃあコレ!』といちばん大きな物を指差した。朝ドラを見ながら閃いたのがこの『練り消しゴム』だった。昨年の春に良きパートナーのチカチャンに誘われて参加した、白鳥道の駅でのアート講座での出来事を思い出していた。アウトドアだったので、午後から風が吹き出して、作品が飛んでしまって大変だったことをFacebookにアップした。それを見ていた従兄弟のアッちゃんから『紙の後ろ側に練り消しゴムを付けると飛ばないよ!』のコメントを思い出した。紙の葉っぱの裏に『練り消しゴム』を付けて、透明なシートに押し付ければあの朝ドラの『セル画』になるかもしれない。カンタンに取り外しができれば、キャラクターの動きが再現できるとイメージしていた。マサは、アート講座の材料が入ったボックスから、僕を取り出した。僕はバラバラになっているので、目、鼻、口、顔、手、足のそれぞれの裏側に丸くちぎった『練り消しゴム』をくっつけた。透明なアクリル板に、それぞれの部品を押し付けた。スマホで『ジャンプするペーパーくん完成』と叫びながら撮影するマサがいた。この画像は『ペーパーリーフアート倶楽部』のFacebookページにアップした。