旅するペーパーくん

ペーパーくんの癒しとヒラメキの日々

ミュージアムのメッセージ

マサは、作品展まで1ヶ月半しかないと気を引き締めていた。今から20年ほど前、会社生活の中で1回だけ最初で最後となった作品展を経験していた。社内と外部のデザイナーからと自由参加で自ら主催した。テーマは「未来のパッケージ」で今まで以上に交流を深めることを目的とした。アート追求の作品展に、社内からはビジネスを追求していないのではと批判的だった。それでも賛同してくれた2人の女性スタッフが「にんにん展」と名付け忍者ハットリくんのようなキャラクターのデザインをしてくれた。このロゴとキャラクターをあしらったタペストリーを会場の天井から垂らすと、素晴らしい雰囲気になった。出品者20名ほどで、オープニングパーティーをやり「にんにん展のにんは人を指し人と人をつなぐ作品展です」とスピーチしたことも強く記憶に残っていた。今度の作品展では、何を伝えるのか運営委員のメンバーと共有することができた。「ペーパーリーフアート」のロゴと鳥のキャラクターは既に倶楽部の設立からあり、これを基本に展開することを決めた。美術館で開催される名画の展覧会を数多く見てきたが、入り口の導入部にあるのが文字で趣旨を伝えるメッセージパネルが必ずあった。「3枚のパネルを作りたい」とメンバーに話した。  1枚目のパネルは「ペーパーリーフアート誕生のヒミツ」2枚目は「ペーパーくん誕生と仲間たち」3枚目は「紙の葉っぱのミュージアム構想」。3枚のパネルで作品展の導入部を飾ってみようと、過去の経験からマサはメッセージコピーを考えることにした。