旅するペーパーくん

ペーパーくんの癒しとヒラメキの日々

癒やしの効果

マサは、月曜日の気だるい朝を迎えていた。NHKのニュースを見ながら、牛乳とパンそれにサラダとバナナを食べていた。『YouTubeで音の映像を流すだけでアクセス数が100万回以上も』のトピックスだった。物を叩いたり、潰したりする手元だけを映している音入りの動画だった。電車の走る音、工場の機械の音などビジネスにしているIT社長も紹介される。森永では、アイスをパリパリと噛む音をWEB上で公開しているらしい。分析によれば、アイスのパリパリする音の波長は、沖縄の砂浜の涙の音に近いと解説が続いた。心地よい音を聞くことで、癒しの効果をうまく活用していると思った。マサは、僕を癒やし系のキャラクターとして作ってくれた。良きパートナーのチカチャンは出来上がった頃に『脱力くん』と呼んでくれていたので、彼には癒やしが与えられたのかなあと思っている。アート講座を通じて『癒やし』をいろんな人に与えたいと活動をしてきたマサだった。作品を作ること鑑賞すること共有することで3つの癒やしが生まれることをテーマに活動している。昨日、運営委員でもあり良きパートナーのナカちゃんと今後の打合せのために柳ヶ瀬にある喫茶店に入った。マサはファイルから取り出して計画書とまだ未完成のアート講座のパンフレットを見せた。『町内の防災役員になったので、活動できないかも』『作品作るのは実は苦手なんだ』と本音をもらした。マサは少し反省している。中学から高校まで同級生だったことで、無理矢理お願いしていたのではないかと。作品を作れば癒される、苦手な人にとっては逆にストレスになっていたのかもしれないと。マサが少なからずショックを受けていたので、励まそうと手を振ってみた。僕が少し動いて、小鳥のさえずりでも聞かせてあげれば『癒やしの効果』が更に増して、ナカちゃんにもマサにも笑顔になれる方法をNHKのニュースをヒントに考えていた。