旅するペーパーくん

ペーパーくんの癒しとヒラメキの日々

ウォーキングの楽しみ

マサは、名鉄岐阜を降りると歩きだした。日曜日にオシャレな古本屋で買った『ウォーキング入門』を実践してみることにした。マラソンで金メダルのQちゃんを育てた監督が著者で、写真入り解説でめくるだけで理解できるものだ。頭のてっぺんが上に引っ張られることを意識する。カカトから着地するように足を踏み出す。呼吸は鼻から吸って吐くことを意識する。手には荷物を持たないこと。マクドナルドの窓ガラスに映ったマサの姿は、昨日までより背筋が伸びていたのは不思議だった。3年前に長時間のデスクワークでギックリ腰になりこの道を歩いて帰るのがやっとだったが、この本によると片手でパックなど持って歩くと腰痛の原因になるとバランスの大切さも教えてくれる。駅からアーケードが続くので、日差しがあっても雨が降っても歩けるのでありがたい。ウォーキングに適しているのが舗装された道路で、片道が15分の時間も1回当たりちょうどいいらしい。継続するためには、コースを変えてみることも奨めている。4年間も同じ道を歩いていると、商店街も少しずつ変わってきている。最近できた焼き立て高級食パンの店は、売り切れの看板がいつも掛けられている。いちばん気になっているのが女性下着の専門店だった。ショーウィンドウに下着姿のマネキンが立ってこちらを見ているので、もうすぐ5歳の僕は目のやり場に困っている。マネキンが細い金属だけ作られた骨組みになっているので、下着が余計に強調されている。雰囲気のいい小料理屋の前に、七夕飾りの笹の木が目に付いた。お客さんが書いたのか『金持ちになりたい』と大人が書いた短冊はちょっぴり違和感があった。じっくりみると、飾り付けはみんなペーパーで作ってあったので親近感も感じた。そろそろ家に着く手間のバス停に、見かけた人が向こう向きに立っていた。後ろから『久しぶり』と声を掛けると、久しぶりなのでお互いに話しが止まらず30分以上も気にならないで立っているマサだった。バスも10台以上行き過ぎていった。