『アート講座』の段取り

マサは、いよいよ始まる『アート講座』の段取りを始めていた。カレーの箱やアイスの箱、チョコスナックの箱も日頃から取っておいたので、折り紙サイズの正方形にハサミでカットしていた。第一回目の『アート講座』は、生徒の人達の生年月日がわからないため保険加入ができないので、ハサミを使ってはいけないルールを役所から指導されていた。これまでの活動で葉っぱ状にカットされた紙の材料があるので、これらの中から好きな色の葉っぱを選んでもらうことにしている。まずは、マサ自身がお手本を作る必要がある。今回のテーマは『自己紹介カード』を作ってもらうことにした。男性は、会社の名刺は持っているがプライベートな席では使いにくいこともある。『プライベート名刺』を作れば、いろいろなシーンで使ってもらえると考えた。女性の方は交流範囲が広いので、喜んでもらえるかもしれない。マサのアーティスト名『ロッキー マサ』を葉っぱの紙で、バックには色紙を三角形に折ってロッキー山脈のイメージをカタチにしてみた。後はスマホで撮影して、プリンターで名刺サイズの白い紙に印刷して出来上がった。ポストカードより名刺サイズは小さいが、想像以上に可愛く仕上がった。名刺サイズの紙は、白、ピンク、草、クリームの4種類をロフトで購入して好きな色を選んでもらう。秘書役の妻は、友達や親戚もアート講座に参加してくれるので、マサの講座内容を少なからず気にしてアドバイスをくれている。『去年と同じことしないでね。ワンパターンにならないようにね』と厳しい意見にも耳を傾けるようにしている。昨年の作品と比較しても、1年間で培ってきたものがあるとマサ自身も感じとっていた。初めての方も、リピーターの方も、きっと満足してくれるだろうと『アート講座』の段取りを終えた。