旅するペーパーくん

ペーパーくんの癒しとヒラメキの日々

『カレーの箱』のパワー

マサは、ダンディ開発部長の即決には驚いてる間もなくデザインのイメージを話しだした。『スーパードライだよ。従来のつけものに囚われていちゃダメだ』ここで、マサは得意なペーパーの世界をイメージしていた。これまで、アイスの箱、チョコスナックの箱、ガムの箱で当ててきたので、『カレーライスらっきょう』なら『カレーの箱』がスーとイメージされてきた。『開発部長カレーの箱のイメージは、どうでしょう?』とペーパーの世界に意表を突かれた様子だったが、『それはいける。次回までにダミーを作って欲しい』無地の袋に入ったらっきょうも手渡された。マサは、実はらっきょうが苦手だったのと、カバンに入れても匂いがするので帰りの新幹線でも人に迷惑かけるかもしれなかったが断れなかった。次の週末にデザインダミーを提出し『これはいける。イメージ通りだ』と即決するダンディ開発部長だった。この商品は、 T社のホームページに全くデザインも変わらず掲載されており、マサの3つ目のロングセラー商品となった。この企画を最後にマサは、管理職となったので実務は担当者に任せることになった。この前後に韓国ブームが起こり、キムチが日本の食生活に一気に入り込んできた。ダンディ開発部長はすかさず、日本人にあった味覚のキムチを試作し、ネーミングやデザインを依頼してきたので担当者男女2名で当たらせることにした。男女で3つのペアを組ませたが、キムチペアはうまく息が合ったようだった。2000年に発売された『熟うま辛キムチ』はキムチペアの企画だった。2004年に『こくうまキムチ』に商品名を変更して、 T社のキュウリのつけものに並ぶ、トップブランドとなった。この商品名は、ダンディ開発部長の『スーパードライのコクがあるのにキレがある』の思い入れから『コク』のワードを使いたかったのかもと、マサはキムチをつまみにビールを飲みながら感じていたのであった。