旅するペーパーくん

ペーパーくんの癒しとヒラメキの日々

『つけもの』のパワー

マサは、秘書役の妻が作った魚料理を食べていた。カラダに気を遣ってくれて、ニンニクのしば漬けも出してくれている。ひとくち口にすると、ニンニクのパワーで『つけもの』の過去の企画を思い出していた。菓子会社がひと段落すると、豊橋営業所の若手所長ニシちゃんから電話があった。『浜松の帰りにも豊橋に寄ってほしい』と親しげに話すので『じゃあ来週金曜日の夕方に行くよ』と手帳をみて返事をした。ニシちゃんは、都の西北大学出身で以前より麻雀をよくやった仲間でもあった。豊橋営業所は、駅から歩いて5分のところにあった。さっそく資料を見せてくれると、得意な菓子会社もあったが、『つけもの会社』を攻略したいと明確にターゲットを示してきた。菓子会社はハスキーボイスの女子に任せればいけると踏んだ。よく聞くと『つけもの会社』は、業界ではトップで競合他社がやはりガッチリ押さえていることもわかった。三重も浜松も豊橋も同じ現象なのには、やはり敵ながらあっぱれと感じていた。この差は、やはり戦略の違いで牙城を崩すには大変だと覚悟を決めた。話しによると、長年やってきた先方開発部長が担当変更になり、営業部門から赴任することになったこと、タイミングよく会食をしてお互いに情報交換をしたいということもわかった。次の週末でアポをとるから顔合わせで資料作成をすることを約束して別れた。菓子会社は『おとなこども企画』でかなりの効果があったが、食品会社の攻め口は見出せていなかった。唯一思い出したのは、東京時代のふりかけで有名なM社のことだった。マーケティング部門の後輩から教えてもらったPOSデータを活用すれば、他の食品会社から切り口が見出せるかもしれないと帰りの電車の中で考えた。キュウリの『つけもの』でこどものキャラクターをマークも使っているので、ふりかけに近い食べ方もされているのではないかと考えも膨らんでいた。