旅するペーパーくん

ペーパーくんの癒しとヒラメキの日々

『アイデア』の世界

マサは、一週間分の『半分、青い。』を見ていた。漫画家でデビューした同じ下宿生活をする、2人の女子が連載の『アイデア』に苦しむ姿が痛々しくマサも昔を思い出していた。締め切り間近にバーカウンターでアルコールを飲む女子ふたりの姿には違和感を感じたが、同じようなシーンがマサにも確かにあった。なかなか『アイデア』がしっくりこないとき、頭を掻きむしっていると、決まって先輩の営業マンが近づいてきた。『マサ、メシでも行こうか』と会社近くの『キッチン松の木』に誘ってくれた。『マサは、いいなあ。いつも楽しそうで。』いつも同じセリフで励ましてくれていた。少しのアルコールとエールの言葉は、いつも『アイデア』のパワーをもたらしてくれた。『アイデア』を生み出す手法は、東京の先輩主任や書籍などで学んできていた。2人以上のチームであれば、ブレーンストーミングが一番である。ゆったりとした雰囲気の場所で、コーヒーや少しのアルコールがあるとアイデアが出やすい。ひとりの場合も『アイデア』のヒラメキに出会える場所は、新幹線や飛行機などのスピードの速い乗り物がいい。NHKの『チコちゃんに叱られる』の番組でも、新幹線に乗ることでほんのわずかな時間だけ未来にタイムスリップすることを大学教授が解説していたが、『アイデア』も生まれやすいのではと感じていた。昔の人も『三上』がいいと伝えており、ひとつに『馬の上』さらに『かわやの上』今でいうとトイレ、もうひとつに『床トコの上』布団やベッドにいる時に、ヒラメキに出会えるらしい。つまり、『癒しの空間』が『アイデア』や『ヒラメキ』を生み出すことを、マサは改めて思っていた。