旅するペーパーくん

ペーパーくんの癒しとヒラメキの日々

『スポーツ』の世界

マサは、ドラゴンズの野球中継を見るのが好きだった。平日でもBSは初めから終わりまでやってくれるので、ずーっとテレビの前に釘付けになることも多かった。秘書の妻は、『また、野球!』と呆れているが、きょうはドラゴンズの得点シーンに拍手していた。もう少しで秘書もドラゴンズファンになってくれるかもしれない、マサの母も父の影響で熱狂的なドラファンになっていたから、こうなるのも近いと感じていた。マサも、父の影響で小さい頃から何度も中日球場に連れて行かれドラファンになっており、プロ野球選手になる夢も少なからず持っていた。中学と高校と6年間の部活動でキャッチャーのポジションを続け、体力はもちろんのこと忍耐力も鍛えられていった。高校の監督が、結婚式のスピーチで『弱肩で貧打だったがヘッドワークでスタメンに起用した』と会場の人を笑わせてくれたが、まさしく野球センスはその通りで、よく6年間もやってこれたと今更ながら思っている。あの江川投手が陸の王者の大学入試で会ったときも、東京六大学でいっしょにバッテリーを組んでみたい気持ちになっていたから不思議だった。大学以降の野球の接点は、ほとんど応援側に回っていた。東京六大学の最後の試合は、早慶戦ではなく慶早戦と呼び徹夜で毎回並ぶことも楽しみのひとつだった。相手側の都の西北大学の応援歌も覚えてしまうほどで、神宮球場を埋め尽くす熱気は忘れることができない。『スポーツ』の世界は、する側も応援する側も、すべてを忘れて没頭できるからいいのかも知れない。野球のドラゴンズブルーとサッカーのサムライブルーそしてドラマの『半分、青い。』で青い色が賑わいを見せて、しばらくはテレビに釘付けで夢中になってしまうマサがここのところ続く。