旅するペーパーくん

ペーパーくんの癒しとヒラメキの日々

『ポケットサイズ』の箱

マサは、翌日ブレストをメンバーとやってみた。『駄菓子パッケージレポート』と『おとなこども商品の企画書』をバラバラにして、広く大きな机の上に並べて説明をした。M社の『マーブルガム』を中高生向けに商品企画したい旨を伝えて、浜松のS社では箱入り『チョコスナック』が決定したことも話した。冷ややかだった男子2人も身を乗り出して、企画書を眺めていたのでやる気が少しは出てきたなと、リーダー目線でマサは、接するようになっていた。先輩営業マンのホリーさんから、その後いろいろな情報を入手していた。M社は、1884年創業で、1947年にガム製造を始めたこと。『マーブルガム』はM社が1959年に開発した商品で、クロレッツガムのような板状を作れず、たまたまボール状が出来たことを教えてくれた。そういえば大リーガーは試合中にガムで風船を膨らませているシーンをよく見たが不思議で聞いてみた。日本に来たのは戦後で、米軍のGHQが持ち込んだのがきっかけで、アメリカで生まれたお菓子だそうである。大リーガーも試合中に冷静さを取り戻したり、リラックスするために、ガムを噛む習慣ができたそうだ。先輩営業マンのホリーさんは、ラグビーの強い関西六大学出身のドラファンで、スポーツのことも詳しく熱く語ってくれた。まだまだ日本のプロ野球では、風船を膨らませる選手はいなかったが、中高生だったら部活や学校の帰りに『ポケット』から取り出して、マーブルガムをぽいっと2〜3個口に入れられる『ポケットサイズ』の箱だったらブームになるかもしれないと思った。ハスキーボイスの女子は『ボテ、コロ、かわいい、パッケージがいい!』と駄菓子パッケージレポートのキーワードといろいろな商品写真を見せてくれた。その中に手のひらに収まるぐらいのキャンディの入った薄型の金属缶が目に止まった。これを『ポケットサイズ』の箱にしたらいいと方向性を決めてブレストを終えることにした。