旅するペーパーくん

ペーパーくんの癒しとヒラメキの日々

『エジソンケース』は不思議

まさは、『マーブルガム』のパッケージコンセプトを『ポケットサイズ』と決めたので、まずはホッとしていた。オリジナリティの高い箱は、専門の構造デザイナーに相談すると要望に近いパッケージを作ってくれた。そのデザイナーは、紙を扱っているけれどストーンさんとう石のように硬い名前だった。ストーンさんは、しばらくは鉛筆で設計し、カッターナイフで切って箱を作っていたが、マサのアドバイスでパソコンで設計しカッターマシンでカットできるようになって『すごく楽になった』と感謝されていた。今回のテーマは『ポケットサイズ』で『ボテ、コロ、かわいい』を伝えると、『エジソンケース』はどうかと知らないワードを話してきた。『えっ、それなあに?』と不思議そうに聞くと、デパートでマフラーなど贈り物によく使われる曲線で丸くなったパッケージを持ってきた。『これ、デカすぎ!』と反応すると、『小さくイメージできないの?』不満気だった。『そうかあ仁丹のパッケージだよね』と答えるとやっと笑顔になった。『マーブルガム』を20個『エジソンケース』に入れて試作品を作ってもらうことにした。ハスキーボイスの女子は、ピンクで可愛いデザインがいいというので、英文字で商品名を考えた。明治のポイフルはずいぶん後から出た商品だが、今思えばP oifullみたいなデザインになった。先輩営業マンのホリーさんもノリノリで、『これは、いける!』とM社へのアポを入れてくれた。M社は、100年以上の歴史があり名古屋のお菓子問屋街の一角にあり、古めかしいビルに入っていった。なにか懐かしい雰囲気と名古屋弁の開発課長だったので、少しばかり落ち着いてプレゼンができた。『脳汁』はやはり出だしたが、今回もいける汗だと思った。『これは、面白い、社長へあげるよ!』と即答だった。

後日談になるが、変わったカタチの『エジソンケース』は、ガムを詰めるのが大変で、簡単な機械をこのために作ったが、生産が間に合わないほど爆発的に売れたのは事実だった。しかし、半年後には終売となってしまい、今だにその理由がわかってない、不思議な『エジソンケース』入りの『マーブルガム』だった。