旅するペーパーくん

ペーパーくんの癒しとヒラメキの日々

『ホットスナック』の衝撃

マサは、平日に戻ると忙しかった昔を思い出していた。クライアントのエビスさまと営業マンの派手好きゴー君のおかげだった。そんな中いつもと同じように週一でエビスさまにアイスの提案をしていると『アイスはもういい、次はホットスナックだ!』と力強い宣言を聞かされた。コンビニのレジ横に冬のシーズンに置かれているスチーマーというケースに入った肉まんやあんまんなどの開発もやることになったから協力してほしいというものだった。しかも、今度はアイスと逆で冬場以外に売れる『ホットスナック』を開発していきたいと、かなり熱が入ったコメントに衝撃を受けた。コンビニはまだ少なく、町のお菓子屋さんやパン屋さんがまだまだ多くあった時代で、レンジと縦長の冷凍ケースをセットでお店に置いて、レンジで温める『ホットスナック』を並べようというものであった。メニューもほとんどイメージしており、たい焼き、たこ焼き、焼きそば、フライドポテトなど縁日の屋台で売られているものばかりだった。それらをコンパクトにおさめるパッケージが必要となった。ここでも東京で自主企画の『アウトドアスナック』が役にたった。フライドポテトにはコーンアイスで使われる三角錐型の紙パッケージが特に気に入ってくれた。10品のパッケージとレンジや冷蔵ケースの什器もオリジナルデザインをして、すべて仕事となったから、マサやゴー君のみならず、会社の人達に衝撃を与えた。本社からも広報がやってきて取材をする騒ぎとなりペーパーに記録として今も残っている。この間のフリーペーパーの取材と同じように顔写真も撮られてしまったが、パソコンやスマホがない時代だったので反響はそれほどでもなかった。しかし、名古屋にいる営業マンからのオファーが待っていたのは予想ができた。