旅するペーパーくん

ペーパーくんの癒しとヒラメキの日々

『ミッション』は何?

マサは、津から名古屋に戻ると何人かの営業マンが待ち構えていた。夜も8時を過ぎるとお腹が空くので近くの『キッチン松の木』という店で食事することが多くなった。営業マンが『松の木』行こうと誘うのでいっしょに入ると、他の営業マンもいて合流することになった。『マサ、うちのクライアントにもやってよ』と懇願してくるので、悩みを聞くだけですぐ時間が経ってしまった。その上に女子大小路の歓楽街に誘われることも増えていった。営業マンからのオファーは嬉しかったが、カラダが持たないと感じるようになってきた。上司もはたから見ててハラハラしていたのではないかと今になってわかるような気がした。企画部には15名のディレクターがいたので、彼らをうまく使うようにとアドバイスしてくれた。ほとんどが年上だったが、熟練者で見習う点も多くあり、任せられるパートはお願いすることにした。東京の先輩主任から『商品企画プロデューサー』の名刺をもらった時のことを思い出していた。ひとつの商品が決定されると、パンフレットやポスター、店頭販促物などかなりな点数になりこなし切れないのは当たり前だった。エビスさまや派手好きゴー君とはいったん別れる決心をし、すでに流れ出したルーチンの仕事は優秀なディレクターの人達に任せることにした。これらの仕事で初めて『プロデューサー』の意味が理解できるようになり、マサのこれからの『ミッション』を見つめ直して仕事をするようになった。上司のアドバイスのお陰でもあったが、この後にマサをサポートするために入ってきた女子達に苦労することになるとは、この時点では思っていなかった。