旅するペーパーくん

ペーパーくんの癒しとヒラメキの日々

『コンセプト』って

マサはブレーンストーミングにより何でも脳が吸収できるようになってきたのを感じていた。先輩主任は、『いい商品を生み出すためには、コンセプトが大事なんだ』と言いだした。『コンセプト』って何だろう、英単語はある程度知っていたが、たしか『概念』ではなかったかと訳してみた。『商品コンセプト』は、商品のオモテ側には見えないが、根幹をなすもので、商品の特徴を一言で表現できれば、いい商品になるというものらしい。先輩主任はメンバーの前で『今日から自主企画を進める、コンセプトは決めたから企画にまとめるから協力してやろう!』バタバタしているメンバーの目はかなり曇っていたが、マサは仕事のオファーもほとんどなかったし、生まれ変わった脳なら何でもできるような気がした。その前に『自主企画』って何だろうという疑問がわいた。クライアントからのオファーがあってする企画とどう違うのだろう。先輩主任からは『こちらからクライアントに売り込む企画、それが自主企画なんだ』こちらで勝手に作って本当にクライアントに気に入ってもらえるのだろうか、少し疑問も残った。『コンセプトは、アウトドアスナックだ』と力強く叫んだが、呼応するのはマサだった。当時、原宿ではクレープが流行しており若い女性達が竹下通りを歩く姿がニュースになっていた。マサはさっそく近くにあった後楽園遊園地に出掛けることにした。もう今では使わなくなった使い捨てカメラを買って、遊園地の中でお菓子を食べてるシーンを探した。あるある結構食べてる、その中で一番目に付いたのはポップコーンであった。手に持ちやすいように、傾斜のついた箱だった。これがいわゆる市場調査だったことも知らずに、喜んでパチパチ写真を撮っていた。スマホの写真機能が好きなのも、このころから植え付けられたのだとも感じた。