旅するペーパーくん

ペーパーくんの癒しとヒラメキの日々

『久しぶりの東京』

マサは、大学のテニスサークルのOB会で久しぶりに東京にやってきた。東京に行って3年後にマサは名古屋に戻り、更にその3年後にいろいろ教えてくれた先輩主任は独立をして六本木に企画オフィスを立ち上げたとハガキが届いた。そういえば企画ルームの仲間たちと会社の保養所に旅行に行ったときのことを思い出していた。先輩主任が、お酒に酔ったのか初めて芸を見せてくれた。ハサミと紙を取り出して何か歌いながら器用に何かを切り出したのである。2つに折り曲げた紙だったので、広げると左右対象になる蝶々で黒い紙のバックの額に入れて『はい出来上がり』とみんなの方に額を見せると、意外な伝統芸に拍手喝采となった。紙を使った切り絵の芸は、今思えばマサのペーパーリーフアートにつながっているような気がした。一度も六本木のオフィスに行ったことがなかったので昔もらったハガキを頼りに行くことにした。確かプロダクトマーケティングという会社名だけは記憶していた。上野でプーシキン美術館展を見た後に地下鉄日比谷線に乗って六本木で降り徒歩5分のところにあった。その場所は、ビル自体が新しくなっており事務所はそこになかった。こんな東京のど真ん中で事務所を構えたなんて、先輩主任のすごさに今さらながら感動した。その六本木は、中学生の時にテレビ出演した場所でもあり寄ってみることにしたが、関係者以外は立ち入り禁止の表示があり中に入るのは断念した。横に芝生広場があり、たくさんな人が座っていたので、ゴロリと横になって空を見上げると六本木ヒルズがそびえ立っていた。