新年会の卒業アルバム

マサは、３日の新年同窓会を振り返っていた。O女子が主催するO会の拡大版の会に、男女28名が集まった。マサは、受付と席決めのクジ作成と司会をするように指名されていた。開始1時間前から幹事役3人が集まり準備を始める。『赤いバラの花は買ってないから』とO女子が、男子のタケちゃんから学生時代好きだったY女子へのサプライズを演出するイベントの予定だった。Y女子が突然の風邪によるキャンセルでこのイベントも中止となった。『タケちゃんもリストにないからちょうど良かったじゃない！』とマサが言うと、O女子が慌てだした。『タケちゃんを入れるの忘れたわ！』とすぐに料理と席を追加してもらった。マサも焦ってきた、座席表の修正に、クジの追加、予備を使ってなんとか準備を完了した。『明けましておめでとうございます』と大きな声で挨拶から始めた。司会は苦手な方だが、アート講座で何度も進行役をやってきたので落ち着いたスタートが切れた。乾杯の挨拶は、1番クジのアンちゃんを突然指名するもソツなくこなしてくれた。しばらく歓談の後に近況報告を今度は最後のクジのトシちゃんから始めてもらった。『岐阜の観光の仕事しているが、どこに行っても我が高校出身に出くわす！』と胸を張って話す姿は誇らし気だった。28人全員が終わると1時間があっという間に過ぎた。良きアドバイザーのイッチャンが近寄ってきて『中学校が同じ人達で写真撮影をしようよ！』と提案をしてきた。マサを入れて6人が並んでスマホを渡して撮ってもらった。『これはいい！いろんなグループで撮影しよう！』とイッチャンが叫んだ。これまでも数々のアイデアを出してきた彼だったが、今回も脱帽だった。演劇部、卓球部、剣道部、野球部、サッカーとバレー部、バンドだったメンバー、通学が同じ名鉄沿線などいろんな人からリクエストに応えて撮影していった。『第２の卒業アルバムを500円で作ります！』とマサはアート講座で作品集を作った経験から、みんなに思い切った提案する頃に同窓会も終わりを迎えた。