旅するペーパーくん

ペーパーくんの癒しとヒラメキの日々

以心伝心

マサは、バニーちゃんの店が頭からなかなか離れなかった。営業の接待などで使われることが、今になってわかった気がした。PART1で登場した先輩営業マンのオッチーさんのことが話題になった。マサにとっては営業の基本を教えてくれた第2の師匠だった。サークルの先輩にしさんから『オッチーさんどうしてる?まりちゃんは?』まりちゃんとはバレーボールの元日本代表でオッチーさんの娘のことで、自身も大学時代に活躍した名選手だった。オリンピック選手を数多く輩出した大学でもあったことから大企業にも人脈が多く、先輩にしさんの繊維系T社にもバレーボール繋がりの先輩がいた。そんな関係式と大風呂敷をモットーの大型営業オッチーさんとマサは、OMコンビと呼ばれて、面白いように仕事が決まっていった。自動車部品の最大手D社にいた同級生のミヤちゃんからも大風呂敷に包み込まれた。バニーちゃんの店を出て名鉄電車に乗ると『以心伝心』なのか、そのオッチーさんからLINEが入っていたから不思議だった。年賀状のやり取りはしていたが久しぶりのメールだった。『東京は天候不順、でも夜はよく眠れるから助かる。アート講座に参加したいので詳細を!』もうすぐ古希を迎えることも添えていた。ダジャレが好きなオッチーさんだったので、岐阜まで来てくれるとは思わなかったがパンフレットの画像を送った。『時間が取れたら、LINE電話しないか!』と返信だったが、2日後の連絡となった。『元気か?』しばらく連絡なかったのは大きな病気をして、やっと回復したことがわかった。『細く長く継続するといい!』とアート講座についてアドバイスをくれた。同期3人と週一回コメダ珈琲で情報交換していることや、バレーボールのコーチをやっていることも伝えてくれた。あの娘のまりちゃんも孫を連れて来てくれるので『目に入れても痛くない』と目を細めるのがわかった。