旅するペーパーくん

ペーパーくんの癒しとヒラメキの日々

『満面の笑み』の同級生

マサは、岐阜の新聞社に同級生のチカチャンに会いに行った。マサの自宅から歩いて5分のところにあるが、名古屋からクルマで先輩営業のオッチーさんと出掛けていった。マサは新聞の世界は全く分からなかったが、出版社の営業経験からいろいろ教えてくれた。トップページのニュースは共同通信社という会社が記事を作っていて全国の新聞社に配信していて、地方ニュースは各新聞社が独自の記者によりページを埋めていることを説明してくれた。確かに駅売店で、並んでいるのを見ると大小の差はあっても同じ写真が使われている理由がわかった。オッチーさんは、独自にこの新聞社にもアプローチしており攻めあぐねていたことも話してくれた。創刊100周年でオリジナル地図帳を販促品で企画しているが、Z社という地図専門業社が競合になっていて決め手に困っていた。そんな中、マサの同級生にチカチャンがいると聞いて渡りに船だったのか『早く言ってよ!』と懇願するような目で訴えてきたのだった。近所に新聞社があることは認識していたが、クルマで改めて駐車場に止めると驚いた。レンガ造りの格調高いビルがそびえ立っていた。いつ出来たのかも覚えていなかった。1階を入るとグランドピアノが置かれたホールがあった。右手にはオシャレなカフェがあり、昔の雰囲気とは全く変わっていた。建物のせいではないが、受付の女性も美しく見えたから不思議だった。『事業局のチカ様をお願いします』と電話連絡すると1分もたたないうちに弾むように登場したので、これまたビックリした。剣道部だっただけに、コテでもするかのような素早い動きだった。『久しぶり、ここのカフェに入りましょう』と案内してくれた。午前中だったので、モーニングセットを3人分オーダーしてくれた。久しぶりに会ったチカチャンが『満面の笑み』だったので、マサもオッチーさんもその笑みに吸い込まれるのがわかった。