旅するペーパーくん

ペーパーくんの癒しとヒラメキの日々

額入り作品は本物がいい?

マサは、つい最近まで迷っていた。額入り作品は、本物か複製のレプリカで飾るのがいいか。過去の作品の画像はスマホの中に保存してあり、原寸大にプリントしてパネルに貼ればレプリカは出来上がる。メディアコスモスのイベントでも、作った現物作品がほしいという子供にも何度も出会っていた。ペーパーリーフアートのいいところは、糊を使わず並べるだけで出来上がりることだが、崩れやすいことや立てられないことが弱点なのもわかっていた。その結論は、遠江の花見パスツアーで解決したので不思議だった。秘書の妻の兄弟3夫婦6名で、年2回旅行や飲み会をやっていた。4月14日の花見は長野県ではまだこれから満開を迎えるところだったが出掛けることになった。途中にお土産店やレストランで昼食をとりながら、遠江城址公園に着いた。ガイドから公園の地図をもらいバスを降りた。2時間あるので、ゴザでも買って花見酒とみんながそう思ったに違いない。マサは、ガイドさんがおススメの信州遠江美術館に目が止まっていた。公園の奥まで10分歩くと美術館の入り口に着いた。先程もらった地図を見せると100円引き、マサはひとりでも入る気まんまんだった。柘植伊佐夫のUNITY人物デザインの世界展というタイトルにみんなが尻込みするのがわかった。ひとりで入ろうとすると『私も行きたい』と義弟の嫁がついて来たので驚いた。印象派の絵画展などは、かなり見てきたから要領がわかるが、入るといきなりNHK大河ドラマ龍馬伝の衣装だけの展示に面喰らってしまった。プロジェクターで作家が語るスクリーンの前に椅子が用意されており、誰も座っていない椅子に2人並んで腰かけた。綾瀬はるかNHKドラマ精霊の守り人の衣装にやっと関心を持ち出した。衣装デザインのスケッチが赤いファイルに入って、上から吊り下げられて並んで展示されていた。スケッチの反対側には本物の衣装が壁に貼り付けてあるからわかりやすく面白かった。最後のコーナーは映画『飛んで埼玉』のGAKTOの衣装もかっこよかった。1メートル四角の大きな木製額に目が釘付けになった。真っ赤なシャツが細い虫ピンで止められていた。『この額つくれる?』と木工会社の社長をしている義弟の嫁に聞くと、定規を取り出し35ミリあることを確認してうなずいた。この額入り展示方法はマサの考えているミュージアムに使えると大きくうなずき返していた。