旅するペーパーくん

ペーパーくんの癒しとヒラメキの日々

『アラキン似』のメンバー

マサは、アラキンと同じ名前で体格も同じぐらいのチームメンバーをアラキン2と名付けた。彼は名古屋にいる時から面識があり、ペーパー製品の設計を担当していた。マサの考えカタチをコンピューターで図面にしてくれた仲だった。『久しぶりです』とどうしてマサがここに来たのか不思議そうな顔付きだった。話を聞いてみると、彼も単身赴任で5年経ったことがわかった。マサは仕事面はもちろん生活面でも、すべてアラキン2に教えてもらおうと思った。いきなりの会議で『ベタケン』という特殊用語が分からず困っていたが、アラキン2は何も語らずマサをバカにした様子だった。席に戻り『なぜ教えてくれない!』と開き直って激怒したことでアラキン2は『これからは何でも教えます』と丁重になってくれたから助かった。それからというものは、何も知らないマサのためにすべて教えてくれるようになった。これを機会にマサもアラキン2のために何でもしてやる気になっていた。まずは溢れ出るクレームを何とかしなければならなかった。内部の品質管理はアラキン2に任せることにした。発生したクレームの報告書作成とクライアントへの報告はマサがすることにした。名古屋まではクルマで行けたが、長野は電車でないと無理だった。企画書作りは慣れていたので、報告書作りには大変役立った。この時に役立ったのが、モバイルパソコンを購入したことだった。報告書を作っても作っても会社だけでは間に合わなかった。長野のクライアントに行く時は、特急しなの号の乗って、揺れる列車の中でもモバイルパソコンが役立った。単身赴任のアパートでも、朝までに報告書が必要な場合もビール飲みながらのキーボードを、おつまみと間違えてつまんでしまうこともあった。アラキン2とのチームワークでなんとかピークを乗り超えることができた。