旅するペーパーくん

ペーパーくんの癒しとヒラメキの日々

さかなのカタチ

マサは、『あぶり焼き』の店まで20分ゆっくり歩いていった。季節柄ショートパンツをはいていくと、インドネシアから帰国のタカちゃんも半ズボンで『ふたりだけかあ、このスタイルは』とマサは南国のインドネシア気分に合わせたことを話した。『あちらでは、こんな美味い刺身は食べられないよ』と美味しそうに赤身、白身と交互に食べる姿は高校時代のバスケット選手だった頃を思い出していた。『あちらには、後1年しかいないからバリ島の海に潜る体験してほしい!』と熱帯魚の綺麗な色を見せたいのがわかった。『ファインディング ニモの世界だね!』とニシちゃんも興味深そうに話す。ニシちゃんは、木を彫って『さかなのカタチ』を再現してポスターカラーで色付けすることを趣味にしていることを明かしてくれた。1才になる孫の写真を見せて、『さかなのカタチ』に彫った熱帯魚で喜んで遊んでくれることが待ち遠しいようだった。すかさず『木彫り講座』でいろいろな人に教えたら楽しいよと、これから始まるマサのアート講座のパンフレットを渡した。札幌に単身赴任のあさチャンの趣味は麻雀で、退職したら介護施設で教えるボランティア活動をしたいと語った。インドネシアのタカちゃんは、帰ってきたら温泉クラブを作るから皆んなで温泉地を巡りたい。温泉に入った後は、自分の家を新しく建て替えるから寄ってほしいと。ワインセラーがあるバルを作るので『美味しいさかな』をつまみにワインを飲もうと夢を語ってくれた。ちょうどその時に出てきた『鮎の塩焼き』の『さかなのカタチ』をみながら、同級生の夢といっしょに味わうマサだった。