旅するペーパーくん

ペーパーくんの癒しとヒラメキの日々

『小学校の先生』から電話

マサは、7月からの5回のアート講座も終わりホッとしていた。毎回講座の内容がどうだったかレポートにまとめて岐阜市の事務局へFAXを送っている。回を追うごとに参加人数は減っていったが、5回皆勤の女性がいてアンケートにも、次の機会も参加したいと記載があったので救われた気持ちになっていた。次は10月に開催するワークショップセミナーに向けて運営メンバーと打合せをして、参加者をもう少し集めたい旨を説明した。翌日、知らない番号でスマホが震えたので聞いてみると女性の声だった。『剣道のS先生の紹介で電話しました』と一瞬ためらったが、この間アラキンといっしょに行ったS先生のことを思い出した。『道場でアート講座をやりたい』と熱く語った後に『小学校の先生にも紹介してみる』と言ったことが記憶に残っていた。『小学校の教師をしてます。まだ空きありますか。月曜日に他の先生にも声掛けしていいですか?』というので『まだ大丈夫ですよ』と返答した。剣道のS先生の熱い思いと律儀さに感服する思いになった。紹介してくれたアラキンへもお礼報告のメールを入れると、嬉しそうな笑顔が見える返答だった。同級生を中心に広がりを見せつつあるアート講座が、『小学校の先生』へ広がるキッカケとなりそうな電話に、新たな始まりの予感がしてきた。『いつでも。どこでも、だれでも』できるように『ペーパーリーフアート』の『教材化』を考えていかなければならないと夢を膨らませていた。アラキンは元大手出版社出身だけにこんど会ったら相談してみようと思った。たまたま『小学校の先生』からの電話があった時に、イオンモールの本屋さんで、いろんな出版社が出しているキット化された箱入りの書籍を手に取っていたのは偶然のようには思われないマサだった。