旅するペーパーくん

ペーパーくんの癒しとヒラメキの日々

『ハードル』は3つ

マサは、今進めている『ペーパーカートン』プロジェクトの成果が上がるように思案していた。特に『カミが降りた』マサのアイデアに批判的な意見を言う人に困っていた。プロジェクト内の若手スタッフだけかと思ったが、営業課長の後向きコメントでダメ出しを食らった感があった。まずは第1ハードルがクリアできないことには、次のクライアントのハードルまで行けないので焦っていた。もう一度、これまでの意見を集約して一枚のシートにまとめてみた。対象のクライアントは4社に絞り、ブランド名と商品イメージを例により鉛筆で書き込んでみた。昔と違い便利なのは、メールを使えば直接担当の営業マンに送ることができる。営業マンはiPadを持っているので、いつでもどこでも情報を確認できる。まずは該当の営業マン3人にアイデアシートをスキャナーでPDFにしてメールに添付して送ってみた。誰が1番早いのか、誰も返信がないのか、批判的な意見しかないのか、しばらく待っていた。30分過ぎると浜松の営業マンから返信が届いた。浜松といえば野球キャラクターのチョコスナックでロングセラーになったS社を担当している営業マンからだった。彼は当時もいっしょに企画を進めていたので、マサのことはよく知っていた。『これは面白いです。売り込みましょう!』と当時を思わせる勢いを感じさせるメールの内容に目頭が熱くなった。彼からも新たな提案のコメントがあり、これは益々いけると感じてしまった。売り場はコンビニを考えていたが、キオスクもいけるかもしれないと言うのだった。いつもそうだが、社内のハードルが1番高くなんとかクリアしたと思った。その次はクライアントのハードルを越えるために試作品と企画書を作ることになる。最後のハードルはコンビニなどの流通のハードルだが、ここまでいくには最低でも半年かかる。マサは最後まで見届けられないかも知れないと思っていた。