旅するペーパーくん

ペーパーくんの癒しとヒラメキの日々

『風呂敷パッケージ』はどう?

マサは、次なる武器を考えていた。2004年にセントレアが開港して翌年に愛・地球博が予定されていた。国内のみならず海外からも名古屋に観光客が押し寄せると誰もが考えていた。日本の古き良きものが見直されるのではないかと感じていた。テーマはすぐ決まって『ニュージャパニーズ企画』略してNJ企画とした。ちょうどその頃に、京都から風呂敷の業者がサンプルを持って売り込みに来ていた。ハンカチサイズの唐草模様の風呂敷に目が止まった。唐草模様の柄も縮小されており可愛さが充分過ぎるほどだった。余談だが泥棒が唐草模様の風呂敷を首に巻いた姿がイメージされたのは何故か、NHKの『チコちゃんに叱られる』で紹介していた。昔は和タンスの1番下に着物を唐草模様の風呂敷を下に敷いて入れていたことで、風呂敷まるごと高価な着物を盗んだことから泥棒のイメージになったそうだ。日本には伝統的な模様が数多くある、オリンピックのマークも市松模様をアレンジしたものだ。ペーパーと風呂敷をドッキングさせた『風呂敷パッケージ』を開発したが、少し時代が早すぎたのか反応する営業マンはなかった。当時はまだまだ名古屋は外国人が来るようなことも早すぎたようだ。愛・地球博はエコをテーマに地味な博覧会だったのはいなめない。外国のパビリオンはあるものの日本人がほとんどだったように感じていた。インバウンドのブームがやってきたのは。ここ数年のことである。今だったら『風呂敷パッケージ』はいけるかもしれない。この春から始めたペーパー開発プロジェクトの事務局をしているマサは、13年前のNJ企画をリバイバルしてみる気になっていた。『風呂敷パッケージ』はどう?と。