旅するペーパーくん

ペーパーくんの癒しとヒラメキの日々

『デコパウチ』の運命

マサは、三重のI社に『デコパウチ』のテスト品が評価されデザインを進めることになった。スタッフとなったハスキーボイスの女子に依頼をし、可愛い『あげまん』のキャラクターを『デコパウチ』の真ん中にあしらったデザインを作ってくれた。これはいけると思ったのも束の間、『デコパウチ』を納入する段階でストップがかかり、幻の『あげまん』となった。その理由は今もマサはわかっていない。この『デコパウチ』はマサのおデコをイメージして付けたネーミングでもあって、社内でも評判になった。『マサのおデコのデコパウチ』とからかう人もいたが、注目を集めることは悪い気はしなかった。ツッチーともう一人男子のカーリーを入れて開発グループを強化することにした。女子のいないアイデア会議は暗い感じがあったが、彼らに奮い立ってもらうために焼き鳥屋で燃料補給の機会も持った。『デコパウチ』の展開のアイデアはすべて特許申請をした。熱いものを防ぐ他に、壊れにくくする緩衝材にもなるので2つの方向からアイデアを出した。手袋型にしたら『鍋ツカミ』になると男子らしからぬ意見もあった。名古屋ドームの野球場で使ってもらえる『紙製クッション』も面白いアイデアだった。精密部品を入れる『緩衝材パウチ』もプチプチに代わるかもしれないと考えてくれた。マサは、これらはどれをとっても素晴らしいと思ったが営業からのオファーが全くなかった。この時はなぜなのかわからなかったが、後にイッチャンが言っている『マサには女子がいないとダメ』の言葉がその答えだということが後になってわかった。ゴルフのパターもラインが見えればパーが簡単に取れるが、この時マサは全くラインが見えなくなって3パットした気分になっていた。