旅するペーパーくん

ペーパーくんの癒しとヒラメキの日々

『つぶ』の衝撃

マサは、K社の『5ファイブ』シリーズに気を良くしていた。K社から明治製菓のポイフルみたいな糖衣掛けしたグミの試作品を見せられた。カラフルな色といろいろなフルーツ果汁をミックスして袋に入れたいと要望された。今度こそ中身を見せたほうが、可愛らしく美味しそうになると考えた。ポイントは、ネーミングだと売れ筋商品の分析を始めた。ポイフルもそうだが、お菓子で売れている商品は、頭文字がパピプペポだった。ポッキー、パピコパナップ、プッカ、ぷっちょ、パックンチョなど確かに良く考えられている。これらに対抗するためには、これらと同じでは埋もれてしまう可能性もあった。もっと他のジャンルでヒントになる商品はないかさらに探してみた。POSデータで他で注目される商品を、菓子や食品に限らず文字情報をしばらく目で追うことにした。『あった!』とまたまた『カミが降りた』瞬間だった。2つあった、ひとつはP社の『つぶコーン』という箱入りスープ。やはり、マサはペーパーに縁があるんだと思った。もうひとつはN社の『つぶ餅』というピーナッツ入りつぶあられだった。こちらもN社のヒット商品だった。柿の種と並びビールのおつまみに最適で、ビール好きのマサはいつもおつまみにしておりこれにも縁を感じていた。キーワードは『つぶ』、そうしたらシンプルにグミをつなげればネーミングの完成だった。ワンハンドで持てるタテ長のデザインを施して、一発OKの気持ちいい瞬間だった。K社のホームページにも開発担当者の誕生秘話と当時のデザインが掲載されているから懐かしい。このコーナーでは先輩女子と後輩女子が語りあっているのも面白い。『最初のデザインは、レトロだったんですね。』とか『じわじわと売れていったんですね。』生々しく語られている。チャック付き袋にリニューアルすることで、大手コンビニにも置かれていき大ヒット商品に育っていきロングセラー商品にもなっている。これは1994年に起きた『つぶ』の衝撃だった。