旅するペーパーくん

ペーパーくんの癒しとヒラメキの日々

『売れる商品』って

マサは、B社の『TV CM』によって新商品が売れるだろうと期待をしていた。TV CMにより全国に1回は棚に並んだが、 CMがなくなると売れなくなっていったようだ。せっかく採用してもらっても売れないと逆にクライアントに迷惑を掛けてしまうのではないかと考えるようになった。『売れる商品』を作るにはどうしたらいいのか、もちろん今回のように最後までプロデュースできなかったのも要因の一つかとも悔やんでいた。ちょうどその頃に、マーケティング部のスタッフが面白いデータを紹介してくれた。大学の後輩でもあり、何かに使ってほしいと懇願するような目をしていたので話を聞くことにした。POSデータというもので、かなり細かく文字と数字が並んでいた。スーパーやコンビニの商品別の売上げがわかるらしい、一ヶ月前のデータがジャンル別にわかるというものだった。『スナック菓子で1番売れているのは、わかるの?』と聞くと『カルビーのポテトチップスうす塩だよ』と即答してきた。すごい、これだ、自分の企画した商品が売れているかどうか、これだったら検証できると確信した。まずはデータを預かって見ることにした。時系列に新商品を追ってみると、例のB社の商品も CM以降に売上げがダウンしていることもわかった。知っている商品は文字だけでわかったが、新商品などはよくわからないので購入することにした。どんなパッケージなのか、どんな味なのか、なぜ売れ出したのか分析することが面白くなってきた。商品は必ず写真に撮ってレポートにまとめて、誰が見ても分かりやすいものにした。先輩主任は、文学部出身だったためデータを使ったマーケティング手法には興味を示さなくなった。商学部出身のマサは、どんどん入り込んでいき独自の企画手法を考え出すことで独り立ちができることを感じていた。