旅するペーパーくん

ペーパーくんの癒しとヒラメキの日々

『ゴルフは』芝刈り?

マサは、平日に戻るとまた会社時代にタイムスリップしていた。次の週に新規クライアントに『紅の豚』似の課長といっしょにクルマで向かった。行きのクルマの中で『いい結果は作るものだ』と名言らしい口調でマサをさとし、今回の件はまさにそのものだよと言っているようだった。担当者が都の西北だと事前にに伝えてあったので、課長も話が弾み見積書を提出して、その場で注文書にサインがもらえた。マサにとって、先にも後にもこのクライアントだけが新規開拓を自分がやったといえる1社となった。課長は気分良くなるのは当たり前だったが、木曽川沿いの堤防を走ってまっすぐ会社へ帰ろうとしたが、『あそこがいい!』と突然に川原に降りるように指示した。『天気もいいし、気分もいい、運動しよう!』えっ、まさか元相撲部だったので、相撲をするのではないかと不安だった。クルマの後ろを開けるように指示されると、ゴルフバッグが入っていた。『マサは、あっちの方へできるだけ離れるように』そうかあ、ゴルフの打ちっ放しの練習だなと気づいた。マサもゴルフを始めたのは、かなり後になるが、9番アイアンでアプローチの練習をしていたんだなと今になってわかった。まだまだマサにとってはこの頃、罪悪感があったので少し不満そうな顔をしていると、『いまにわかる。でもこのことは誰にもいうなよ』と『紅の豚』似の課長は、部下と秘密の約束を交わして満足気だった。スタイルも『紅の豚』に似ていたので決してカッコいいとは思えなかった。マサはゴルフよりも、早く会社に戻ってこの仕事のデザインを手配したかった。クライアントのホウキで掃く姿のキャラクターがなんだか、ゴルフをしている『紅の豚』似の課長にも見えたから可笑しかった。無事にホウキのキャラクター入りオリジナルラップは納品された。やはり、マサは紙の箱に縁があったのだと今になって思っている。