旅するペーパーくん

ペーパーくんの癒しとヒラメキの日々

『新しいMACHINE』は大丈夫?

マサは、また大きなクレームが発生する予感がしていた。数はほとんど少なくなったが、発生すると大きいのが起きたのを直近で経験していたからだ。すべての仕事は内部だけでこなせず、外部の協力会社も多くあった。週1回程度に品質監査をしていたが、すべて回るのに半年かかる程の社数だった。内部のリスク管理は完了したが、外部は指摘することはできたが次回までに改善要望するに止まっていた。後一週間で夏休みになるとウキウキしていたが、営業マンから電話が入ってきた。『新製品のパスタソースの箱にべたっと黒い汚れが発見された』メールで画像も送られてきた。クライアントの充填ラインで発見されたことも伝えられた。パスタソースの箱には、銀箔が縦ライン状にデザインされていた。黒い汚れは、べたっとしていることから機械の油であると断定した。可能性のある工程は、内部2箇所と外部1箇所だった。内部は現物のペーパーにより検証がすぐできたため、発生していないことがわかった。外部はクルマで高速道路を使っても2時間かかる所にあった。まずは電話で現象を説明したが、『新しいMACHINEだから大丈夫です』と自信たっぷりの回答に困ってしまった。1時間以内に報告書を作成し、汚れの発生源は外部と断定し範囲を特定した。翌朝、高速道路をクルマで飛ばして外部を訪問して現場の『新しいMACHINE』を始めて確認した。外部会社の社長は、やはり自信たっぷりで『これが新しいMACHINEです。まだ設置したばかりです』と機械を動かしてくれた。確かにピカピカの機械で、黒い汚れが出そうにないように思われた。現物のペーパーを当てて発生部位を探していると、ちょうどいいタイミングでポタッと液が落ちた。やはりココだったと、安堵するマサがそこにいた。『4M』のMACHINEの変更によるクレームを身を持って体験した。