旅するペーパーくん

ペーパーくんの癒しとヒラメキの日々

『ざるそば』のお陰

マサは、白い抜けの原因がわかり安堵した。トラックの輸送中に段ボールと製品が当たる部分に集中して発生しており、摩擦によるキズが白い抜けとなることがわかった。プリントの部門長ナクちゃんに相談すると『摩擦に強いニスを使えばいい』とすぐ答えを出してくれた。テスト品を作成してサッさんの技術センターの振動試験機で確認をすると、全く白い抜けが出なかった。クライアントにテスト結果を報告するとすぐOKがでた。余談になるが、この報告後にご馳走になった『鴨肉の信州ざるそばつけ麺』が最高に美味しかったので、アパートで自分で作ってみたくなった。味の再現はほどほどで、今でも家族からオーダーが入る得意メニューになっている。料理方法は、鶏肉、ニンジン、玉ねぎ、シイタケを細かく刻み、創味のつゆでじっくりと煮込む。ソバはたっぷりのお湯で、麺の硬さがほどよくなるまで茹でる。茹で上がったらザルに上げ水で冷やす。具だくさんのめんつゆは、熱いまま丼に入れる。冷たい麺を熱いめんつゆに付けて食べると最高に美味しい。一度マサのアパートに泊まったことのあるトシちゃんと彼女の2人にも食べてもらったが『うまい、うまい、マサ食堂をやったらどう?』と褒められるほどだった。この『ざるそば』のお陰でもないが、プリントの白い抜け対策のテスト品がOKになった後、すべての本番製品でも上手くいき、一気にクレームが半減したので自分事ながら感動し『ざるそば』のお陰かもと思った。クレームの原因を追求することと、美味しい料理を探求することが似ていることも同時に感じていた。クレームの半減により、早くアパートに帰って夕飯を自炊できる頻度も増えていった。自分の時間を更に増やすために、クレームを10分の1にする目標を掲げることにしたマサだった。