みんながアートでつながる

マサは、アート体験イベントでもう一つのシーンを思い出していた。いつもお世話になっているメディアコスモスの女子職員のミズさんがやってきて「私の姪っ子です」と促されたおばあちゃんと女の子が手をつないで入ってきた。「いくつ？ハサミは使える？」と聞くと、指を３つ差し出した。「私が一緒にやります」とおばあちゃんが答えてくれた。「何を作りたい？」と8種類のどうぶつカタガミを見せると迷わずペンギンを指差した。「わたしペンギン大好き！」背中に背負ったペンギンのリュックサックを見せてくれた。孫の可愛らしい姿に、おばあちゃんも嬉しそうなのが手に取るようにわかった。30分程すると出来上がったので、ラミネートすることにした。紙で作ったペンギンがラミネート機の中を通っていくのを不思議そうに眺めて「でてきた、でてきた！」とはしゃぐ姿も可愛すぎた。パンチで穴を開けて金のヒモを通して「幼稚園のカバンに付けると先生もビックリするよ！」と使い方を教えてあげる。「シールプリントもいかがですか？」とパンダが16個付いたサンプルも見せると大きくうなずいてくれた。イベントも終わりがけに、職員のミズさんがスマホを見せながら駆け足でやってきた。「見て見て姪っ子がすっごく喜んでる顔です」と先程のペンギンストラップとシールを持った笑顔がはち切れていた。「お兄ちゃんに見せたらケンカになるかも！」と続けて「こんどはお兄ちゃんにも来てもらいます」と嬉しそうに話すミズさんだった。可愛い子供の作った小さなストラップを持った画像を見て「みんながアートでつながる！」と思わず心の中で叫ぶマサがいた。